2014年 09月 16日

ホンダの青山ビルから見えるデザインの経営への関わり

ボクがこのWEB業界に入った頃、

マーケターとしてのポジションで、

売上にすぐに関わらないデザインの扱いに困っていました。

 

ボクがデザインした酷い見た目のサイトの方が、

結構イケているデザインのサイトよりも

売上に貢献するという事はよくあったからです。

 

そりゃ、いいデザインに越したことないけど、

売上が上がるなら、デザインにわざわざ費用を投じなくていい、とさえ考えていました。

 

要は、デザインは「見た目の良さ」だけという小さい捉え方をしていたんですね。

 

でも、ホームページを扱っていくと、

ただ売上がどうのこうのだけじゃなく、

社内の意識が変わったと捉える経営者の方も出てきて、

数値化できない効果にも触れられるようになってきた。

 

そんな中、本田技研のWikipediaを見ていたら、

青山ビルのデザインについての記述がありました。

 

GoogleMAPで見た、HONDA青山オフィス

 

地震の際、「人様の命を預かる製品を作っている企業が、ガラスの破片で下を歩く人に怪我をさせてどうする!」と窓が割れて下の通行人に危険が及ばないようにとの本田宗一郎の指示により、幅1.5mのバルコニーに囲まれたデザインなっている。(本田文庫『生活創造株式会社として』より)

 

こういうデザインがあると、

社内のオペレーションは「安全」を最優先にする文化が育つし、

社外的にも、あの会社は「安心」だな、と感じる人の方が多くなるでしょう。

 

よく、会社では、

経営理念があると組織として目先の利益に走らず、

目指す方向が共有できると言われますが、

事業に関わる何かに理念を込めた分かりやすいデザインがあると

同じ効果があるのだと思います。

 

たかがWEBデザインでも、

ホンダのビルと同様、

しっかり手間を掛けて理念を載せた方が社内外に「個性」を認知させられます。

テキトーに作ったり、パクッて作ったり、独りよがりに作れば、

やっぱりトップの意識が見えてしまうのだと思います。

 

Chief Design Officer という役職は日本では聞きませんが、

デザインは、仕事の流れや、目指す方向を示すなど、経営に関われるんですよね。

 

優れた経営者は方向性を理解しやすく示せるという事で

デザイン感覚が備わっているのだと思いますが、

伝える経験を沢山してきたデザイナーを経営陣に入れるというのも、

もっと進むべきなんだと思います。

 

フリーワード検索で探す

よく検索されるキーワード:

映画 商売 営業 マーケティング 仕事